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朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
待ちに待った五天山公園への「歩こう会」は好天に恵まれた。地下鉄発寒南駅からバスに搭乗。しばらくすると目的地に近づいたようで、41名の会員が次々と降りだした。私は前の方に座っていたが皆さんが降りるのを座ったまま待っていた。
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そのとき後ろに座っている見知らぬお爺さんから声をかけられた。

「お連れさんは皆降りてるよ、お爺さんは降りなくていいのかい」
「(爺とは)私ですか? 大勢ですから最後に降ります」
「そうかい。どこに行くのかね」
「五天山公園です」
「五天山は終点だよ。ここで降りたらダメだよ」
「みんな降りていますから……」
「ここじゃないよ。オレは近所だからよく知っているんだ」
「有難うございます。やっぱり降ります」
「どうして降りるんだよ」
「分かりません」
「降りる所はオレが教えてあげるから座っていなさい」
「それでは失礼します」
「降りるのか、強情だな~。だから年寄は嫌われるんだよ」
「そうですね。ごめんなさい」

と言って急いで降りた。行き先など分からなくても皆さんと一緒に歩いていれば楽しいものだ。こんな気持ち、お爺さんには分かるまい。オキノドクサマ。
”それを言っちゃあ、おしまいだよ”。草葉の陰から寅さんの声。

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バスを降りたら皆さんの後に付いて歩く。絶景だ、素晴らしい。なるほど、ここを歩く為にかなり手前で降りたのだ。感謝! 発寒川と左股川の合流点から左股川沿いに上流に向かって歩いた。五天山公園まで約3km、適度な腹ごなしとなった。だんだんバーベキューが楽しみになって来た。

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心地よい汗とともに五天山公園正門に着く。ここで集合写真を撮影。

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7人ずつ、6組にわかれてバーベキューが始まった。私にとっては初めてのことであり、とても楽しかった。

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炭で肉や野菜を焼いていると、思いがけず戦後の焼け跡を思い出した。終戦後5年もたち渋谷の街も復興していたが、我が家だけは相変わらずのバラック住まいだ。空襲で家を失った人たちは焼け跡で拾った焼けトタンと、焼け焦げた廃材で仮住まいを組み立てた。風雨を避ける為だけの粗末な家をバラックと呼んでいた。

焼け跡で拾った壊れかけた釜をまだ使っていた。飯炊きは10歳の私の担当だ。カマド代わりに一斗缶の下の方をくり抜いて、そこから薪をくべた。薪は魚屋からもらった。使用済みの木箱をナタで叩いて適当な大きさにして使ったのだ。魚の油が染み込んでいるのでよく燃えた。

バラックは狭いので外でやるしかない。それで私が飯を炊かされたのだ。この仕事は渋谷区が仮設住宅を建ててくれるまで続いた。家で出来るようになると母が炊くようになった。キャンプでは当たり前のことも街中の道路でやると何故か恥ずかしい。当時の大人はみっともない仕事は子供に押し付けた。

隣の魚屋では売れ残った魚を中学生の息子に売らせていた。リヤカーを引きながら泣いている姿をよく見かけたものだ。昨日買った魚が腐っているとか、客から文句を付けられ返金を迫られるのだ。彼はけっして金を返さない。ただ下を向いて泣くだけ。父親の方がもっと怖いからだ。

比べれば私の方がマシだが道路で飯炊きは恥ずかしい。やっているのは私だけだ。65年前とは言え東京のど真ん中渋谷二丁目だ。青山通りから外れた横丁の道路でも自転車は通るし人通りはある。もちろん知人も同級生も通る。「こんなとこで飯炊くな」と言われても、「お手伝い、偉いね」と言われても恥ずかしい。

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炭が沢山残っていてもったいない。消壺は何処にあるのか探してみたが見当たらない。昔は炭が残っていれば消壺に入れて消す。そして再利用するのが常識だった。灰になるまでトコトン使った。

私が炭とか薪を使わなくなって60年たった。その間に使い方が大きく変わった。炭は1回しか使わないのだが、放っては置けないから直ちに消してゴミとして処分するのかな? 経験のない私には分からない。

世の中は変わっているのに、私の経験は60年前に途切れ、今になって突然つながった。前世紀の人間が時空を超えて五天山公園に舞い降りたようなものだ。炭を再利用する手順がないのなら消壺は必要ない。初めてのバーベキューで又、新たな発見をしてしまった。

「誰でも知っていることを発見とか言わないでよ」
「私としての発見と言い換えましょう」
「どうでもいいから口から出さないでね」
「Poot!」
「何だよそれ」
「英語です」
「くさ~い」
「ごめんなさい、口から出せないので尻から出しました」

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昼食後は、「もっと歩きたい30人」が平和地区までの3kmを歩いた。途中の遊歩道は萩が咲き、甘酸っぱい実がなる木があったが名は知らない。ともかく美味しかったので沢山食べた。

「小さくてブドウの様な味で酸っぱかったです」
「なんだか分からないもの食べてお腹を壊したらどうするの」
「それより、近所の人に叱られないか心配です」
「なんで?」
「片側は川ですが、反対側は住宅街なのです」
「小さいブドウは何方かの持ち物?」
「もしそうだとすると、実が大きくなるのを待っていたのかも知れませんね」
「それじゃあ、ドロボーじゃなないの。アタシは知らないよ」
「私も知りません。警察も知りたくないと思います」
「だからどうなの?」
「自首しません」

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【2015/10/03 00:00】 | 札幌シニアネットssn
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バーベキューは楽し!
路傍の石

ご無沙汰してました。

PPさん、人生初めてのバーベキューですか?
好天の下、大勢の仲間と談笑しながらのバーベキュー、
楽しく又美味しかった事でしょう。

それが突然消壺に繋がっていく件は切ないですね。

先ずはバーベキューデビュー、おめでとうございます。



幸せな今を感謝しています
PP
有難うございます。バーベキューは楽しいですね。
昔を思い出すと、現在の幸せを何倍にも感じることができます。
時々思い出しては、しみじみと幸せな今を感謝しています。
精神的に凄くいいですね。

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この記事へのコメント
バーベキューは楽し!

ご無沙汰してました。

PPさん、人生初めてのバーベキューですか?
好天の下、大勢の仲間と談笑しながらのバーベキュー、
楽しく又美味しかった事でしょう。

それが突然消壺に繋がっていく件は切ないですね。

先ずはバーベキューデビュー、おめでとうございます。

2015/10/05(Mon) 20:35 | URL  | 路傍の石 #-[ 編集]
幸せな今を感謝しています
有難うございます。バーベキューは楽しいですね。
昔を思い出すと、現在の幸せを何倍にも感じることができます。
時々思い出しては、しみじみと幸せな今を感謝しています。
精神的に凄くいいですね。
2015/10/05(Mon) 21:12 | URL  | PP #kEawCMz.[ 編集]
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