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朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
先ず、面識のない方々の為に容姿について簡単に紹介させて頂くことにした。74歳、背がやや低く短足、不本意ながらハゲている。くじけそうになる心に鞭を打って書いている。話題関連なので省略できないのだ。読み終ったらお忘れ願いたい。

元々服装には無頓着だが高齢になってから気になりだした。未練がましくもこれ以上汚くなりたくないのだ。年取ってから初めたカラオケ同様、服装でも音痴だ。簡単に言えばお洒落じゃないけれど気にしている、我ながら可哀そうな人である。

今日はQPと一緒に外出だ。出かける寸前にシャツやズボンを替えろとか言われても困るので、できるだけいい恰好をした。外圧によるお洒落でも、新しいシャツに新しいズボンを身に付けると気分が好い。

QPのチェックにも合格して一安心。気分も若々しくなり、胸を張って歩いた。良い姿勢で歩けば10歳は若返ると信じているからだ。日常生活では歳を意識したことはないのだが、真新しい服を着ると気分が変わり、何となく若々しく振舞いたくなるのだから困る。肝心の中身が変わらないのにね。

そんな気分のまま地下鉄に乗った。何分私は若い気分だからもの欲しそうに座席の前に立ったりはしない。QPが一番端の座席の前に立ち、その横のドア側に立った。習性とは恐ろしいものだ。それでも空いている席はないかなと思いながら、目の玉だけを動かして探していた。自然にそうなってしまうのだ。

その時、意外なことが起こった。QPの前に座っていた女性が「どうぞ」と言って立ち上がったのだ。お礼を言って座ればいいのに座らない。知らんぷりとは失礼だ。何をしているだろう、さっさと座ればいいのにと思った。しかしこれは勘違い。なんと、女性はQPを飛び越して私に対して「どうぞ」と呼びかけているではないか。

座りたいと思っていたことが見破られて恥ずかしくなった。私は姿勢を正して若ぶっていたつもりだった。それなのに、なぜ分かったのだろうという疑問が入り混じり、複雑な笑いを発してしまった。エヘヘヘてな感じの卑屈な笑いだ。我に返り「すみません。失礼しました。有難うございま」とか言いながら座ったような気がする。心の中は恥ずかしさで一杯なので記憶は曖昧だ。

大通駅で大勢の人が降りたので空席ができ、QPが私の横に座った。
「先ほどの女性は凄い洞察力ですね。心が見透かされて恥ずかしかったです」
「洞察力って、なに?」
「確かに空席を探していましたが、人に悟られないように目の玉だけ動かして、顔もそのまま、体も前を向いたままですよ」
「座りたいのが見え見えだったよ。みっともないったらありゃしない」
「なぜ教えてくれなかったのですか。あの方が親切にしてくれたのに、二人とも知らんぷりしていたら失礼でしょう」
「恥ずかしいからね」
「あなたが恥ずかしがることないでしょう」
「アンタがあたしの連れだとバレちゃうよ。それが恥ずかしいの。わかった!」

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【2015/08/22 00:00】 | 愚かな私
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