朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
「名ばかり管理職」が問題になったことがあるが私は「名ばかり父さん」だった。法的にも世間的にも父だが、らしいことは何もしなかった。もちろん夫らしきこともしない。自分のことばかり心配しながら暮らしている情けない人間だった。

ところでニュースと言うには古すぎる話だが、ビックリしたので記憶に残っていることがある。報道によれば、オーストラリアの東部海岸でサーフィンをしていた男性がサメに襲われ死亡した。男性はサーフボードの上に座っていたところ、脚のあたりをサメに襲われたそうだ。なんとも悲惨な話で心が痛む。

QPと朝食中に何故かこんな話を思い出した。会話が途切れたからだろうか。それとも潜在的な必然性があったのだろうか。当の私には分からない。

「サメに襲われた人がいましたね」
「知ってるよ。ジャ、ジャ、ジャ、とか音がしないから気がつかないんだよ」
「なんですか? ジャ、ジャ、ジャって」
「サメが来るとき何時もそんな音がするでしょ」
「そんな音しませんよ」
「だから、気づかなかったんだよ」
「サメがそんな声だして鳴くわけないでしょう」
「ジャ、ジャ、ジャって言うんだよ。アンタだって聞いたでしょ」
「聞いてませんよ」
「タケちゃんと三人でジョーズを観に行ったでしょ。忘れっぽいんだから」

何のことかと思ったら映画の話か。よく覚えているものだ。今45歳の息子が10歳頃の話だ。映画は覚えているが、ジャ、ジャ、ジャを聞いた覚えはない。こんな時はネットで検索するに限る。

ユーチューブに「ジョーズ」の予告篇があった。一応URLを表示して置く。
https://www.youtube.com/watch?v=aGMpCa_xpos
確かに、ジョーズ(サメ)が現れる少し前からジャ、ジャ、ジャの繰り返し音が流れる。

考えてみれは親子三人で映画を観に行ったのはこの1回だけだ。QPにとっては忘れられぬ思い出と思う。それで細かいところまで覚えていたのだろう。

私にも息子についての忘れられぬ思い出がある。たった1回のことだから覚えていられるのだ。子育てや介護の経験のある人なら日常茶飯事のことだから一つひとつは覚えていないだろう。

話というのはこうゆうことだ。友達の家に行ったはずの息子が1時間もしない内に帰ってきた。招かざる客だったのだろうか。小学高学年ともなれば誕生パーティもやるし招待もする。たまには手違いもあるだろう。

留守番をしていたが玄関のドアを閉める音がしたので見に行った。息子は泣きそうな顔をして強烈な臭いを発していた。これが何を意味するかは私でも分かる。

子育てはQPに任せっぱなしでオシメも替えたことがない。想定外の重大問題に直面してうろたえた。突然大人並のウンコの始末という重責を負ってしまったのだ。踏み台から飛び降りたこともないのに落下傘降下をするようなものではないか。

こんな時は腹も立たないし可哀想とも思わない。ただ何とかしなければならないという思いだけが先に立つ。しかし臭い、凄く臭い。大人と同じものを食べているのだから当然だ。それに腹を壊しているので悪臭は更に深まる。風呂場に連れて行って何とかしたが何をしたのかは忘れ、強烈な臭いだけを覚えている。

親子三人で映画に行ったのは1回だけ、未だに子離れしないQPが細かいところまで覚えているのもごく自然なことだ。子供の世話もたった1回だけだが、強烈な臭気と共に記憶に残った。考えてみれば心の中は自分のことばかりで、家族のことは何も考えていなかった。そうこうしているうちに子供は成人になった。

大人になった息子にこんなことを言われた。「よその親は、子供のことをいろいろ考えてくれるし、子供の為にいろいろしてくれるのだよ」と。そう言われても何も感じない。なるほどと思うだけのろくでもない父である。

息子はこんな言葉も付け加えてくれた。「何もしてくれないけど気楽でよかったよ。親にいろいろやってもらうのも大変みたいだ。お父さんで好かった」。何も教えないのに良い評価を与えられた先生のような気恥ずかしさを覚えた。親は無くても子は育つとは本当だな。「名ばかり父さん」はそう思った。

【2015/05/02 00:00】 | 愚かな私
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花筏

メシ、風呂、寝る、から イクメン へ。
時代は変わってきました。

PPさんの時代は メシ・・・とイクメンの中間くらいでしょうか。

その頃は女性は家庭を守り、男性は外で仕事が一般的だったでしょうから、
PPさんが特別 自己中心的だったとは思いません。

今は男性の退職と共に妻も専業主婦退職願望の女性が多いと思います。

家事も夫婦で分担が理想かもしれませんね。



いろいろ反省しています
PP
私も自由の身ですから、家事全般を分担するのが当然と思っています。
しかし、実際にはほとんど何もやっていません。
少しはやったこともあるのですが喜ばないと言うか、
QP自身は自分でやる方を気に入っているようです。
それをいいことにして、積極的に手を出さない私は、
やはり、無責任なろくでなしですね。


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メシ、風呂、寝る、から イクメン へ。
時代は変わってきました。

PPさんの時代は メシ・・・とイクメンの中間くらいでしょうか。

その頃は女性は家庭を守り、男性は外で仕事が一般的だったでしょうから、
PPさんが特別 自己中心的だったとは思いません。

今は男性の退職と共に妻も専業主婦退職願望の女性が多いと思います。

家事も夫婦で分担が理想かもしれませんね。

2015/05/03(Sun) 15:23 | URL  | 花筏 #-[ 編集]
いろいろ反省しています
私も自由の身ですから、家事全般を分担するのが当然と思っています。
しかし、実際にはほとんど何もやっていません。
少しはやったこともあるのですが喜ばないと言うか、
QP自身は自分でやる方を気に入っているようです。
それをいいことにして、積極的に手を出さない私は、
やはり、無責任なろくでなしですね。
2015/05/04(Mon) 22:30 | URL  | PP #kEawCMz.[ 編集]
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