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朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
「恋愛」とはおかしな言葉だ、恋とは「特定の異性に強くひかれること」。 愛とは「かわいがりいつくしむ」こと。 

そして、恋愛は「特定の異性に特別の愛情を感じて恋い慕うこと」。 辞書を見ればちゃんと書いてある。 バラバラにして悩む方が可笑しいかもしれない。

英語で言えば恋も愛も両方ともラブ。ひょっとして、恋愛と書いてラブラブと読むのかな。

Aさんは、病気一つしたことのない力持ち。 山に登るときも、疲れている人の荷物を持ってやるほどだ。 そのAさんが不治の病に犯されてしまった。 男らしい寡黙な人だったが、今はよく話し、内容も以前とはずいぶん違う。 柄にもなくロマンチックなことを言うようになった。 その反面、妙に現実的な部分も出てきた。 

「俺は今、恋をしてるんだ。Bさんのことが頭から離れないのだから間違いなく恋だな。 片想いだから、返って都合がいいんだ。 お金はかからないし、トラブルの心配もない。おまけに振られる心配もないんだよ」
「それは良いことずくめですね。私もやってみたいですよ」

「Bさんのことを思うと何か暖かい、気分になれるんだよ。 以前なら、こんなこと考えられなかったよ。 片想いなど、思っただけで恥ずかしいね。」
「人を好きになることは良いことと思いますよ」

「最近何か吹っ切れたように自由に考えられるようになったんだ。 いろいろとな」
「いろいろ…、なんですか? 聞かせてくださいよ」
「嫌だね。笑うから」
「Bさんは、明朗活発、頭脳明晰、美しい方ですね」

「この世で恋愛ほど楽しいものはないと思うよ」
「片思いでもですかぁ」
「あんたは長生きするぞ」
「いや、別にそういう意味では…。 すみません」

「恋愛をを3つに分け順番をつけてみたんだ。一番は相思相愛、二番は片想い、そして三番が擬似恋愛とな」
「なんで、哀れな片思いが二番なのですか?」

「擬似恋愛の悪いところは嘘をつくことだ。相手にも自分にもな。それに、見栄を張るので金もかかる。いずれ別れるか、一生猫被るかどっちかだよ」
「我輩は猫である」

「分かってるよ。丸くおさまりゃ何でもいいんだろう。 片想いは、妥協はしない、見栄張らない、しかも純粋だよ」
「どこが楽しいのですか?」

「古い映画の話になるが、無法松は幸せだったと思うよ。 俺も、見習ってBさんの為に誠心誠意尽くしてきた。 何気なく尽くしてきた。この何気なくが一番大切なことなんだよ。 自分の感情の欠片も見せたことないよ」

「あなたは私にも、とても親切だったですね」
「Bさんにだけに親切では、何気なくにならんだろう」
「なーんだ、目くらましだったのですか」
「すまん」
「男はつらいですね~」

2008/8/15

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【2009/01/04 14:30】 | 小さな幸せ
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