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朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
私は小学校の日直代行をしていたことがある。S人材センターより派遣されて、休日に学校の留守番をする「代行さん」である。インターフォンで玄関の出入をチェックしたり、校内を巡回したり、休日(昼間)の警備員みたいな役目もある。

事件もののテレビドラマなら警備員が殺されるところから始まるが、現実はホンの小さな誤解から生じるプチ・ドラマ。それでも心に小さな傷がつく。「ちょっと、代行さん。 変な音がするじゃない。 止めてくれない」。私は先生の部下ではないのに命令されてしまった。まるで異音を発している張本人のような扱いだ。

新学期の準備に追われて、休日なのに泣く泣く来ている年配先生は、機嫌が悪い。短い曲の繰り返しのような音だが、先生はインターフォンを指差しながら言っている。しかし、常勤の先生が分からないことを、休日の留守番役に分かる訳がない。いずれにしろインターフォンなら日直代行の仕事道具だから放ってはおけない。

「はい、分かりました。調べに行ってきまーす」と、言ったところで、何を調べるか検討もつかない。それでも、じっと座っているより、その場を離れた方が気が楽だ。しばらく散歩してから職員室に帰り「変ですね~。担当の先生に知らせておきますね」と言って、一件落着のつもりだった。変な音が何回も続くわけがない。

その先生とは初対面で見知らぬ人。まともに議論しても仕方がない。変な音を止めてくれと言われれば、止めに行くフリするのが最良の判断だ。それにあの「変な音」はインターフォンから出ていないと確信している。それを日直代行が先生に納得させるのは至難の業である。

何れにしろ、私の勤務時間は後、一時間もないのだから、全ては時間が解決する。第一変な音を止めるのは私の仕事ではない。代行さんは気楽な稼業と来たもんだ。その代わり一ヶ月働いても1万円くらいだ。一日の間違いじゃないよ。