おじいさんとの話は延々と続きそうだが、ラジオの準備をしなければならない。「進行表」と「台本」をチェックしようとしたら点滴が来た。
「もうですか?」
「ラジオがあるから早くしてと言ったでしょ」
「すみません。お願いします」
もうクタクタのヘトヘトだ。点滴しながら眠ってしまった。目が覚めると17時。泥縄だが、点滴しながら放送をイメージしてみた。
点滴の落ちる速度がやけに遅い。遅れそうな気がしてイライラした。胸もムカムカした。点滴が終わると18時になってしまった。食欲はまったくないが、食後の薬の為、少しだけ食べてみた。
大急ぎで円山のスタジオに向った。途中でカロリーメイトをほうばったが、いつもと違って口の中がパサパサして食べにくい。
スタジオ内は飲食禁止だが、コッソリお茶を飲みながら何とか1時間の番組を終了。タクシーを拾って家に着いたのが21時20分だった。病院の消灯が21時なので予め外泊許可をもらっていた。
家に帰ってもやることがいっぱいある。電話連絡は病院に帰ってからでも出来るが、メールはネットが使える今夜の内にしなければならない。
とにかく破らなければならない約束がいっぱいあった。時間がないので「入院するから行けない」とだけ書いて送るのが精一杯だ。何となく気になったが、疲れて寝入ってしまう。
一眠りすると目が覚めた。夜中の3時だが、気になって目が冴えて仕方がない。なにぶん前触れ無しの入院だ。簡単な説明が必要だろう。
しかし、どこの誰にとなるとなかなか難しい。困り果てて600人宛てのメーリングリストに流してしまった。こうして長い長い一日が終わった。
「退院おめでとう」
「有難うございます。ご迷惑かけて申し訳ありません」
「しかし、『病院の罠』とは穏やかでないな。世話になったお医者さんに失礼だぞ」
「病気と健康とどちらが好きですか?」
「健康に決まっているじゃないか」
「病気で入院したとは思いたくないので、健康なのに病院が仕掛けた罠にかかったと思うことにしました」
「小心者に付ける薬はないな」
「薬はもうけっこうです」
「もうですか?」
「ラジオがあるから早くしてと言ったでしょ」
「すみません。お願いします」
もうクタクタのヘトヘトだ。点滴しながら眠ってしまった。目が覚めると17時。泥縄だが、点滴しながら放送をイメージしてみた。
点滴の落ちる速度がやけに遅い。遅れそうな気がしてイライラした。胸もムカムカした。点滴が終わると18時になってしまった。食欲はまったくないが、食後の薬の為、少しだけ食べてみた。
大急ぎで円山のスタジオに向った。途中でカロリーメイトをほうばったが、いつもと違って口の中がパサパサして食べにくい。
スタジオ内は飲食禁止だが、コッソリお茶を飲みながら何とか1時間の番組を終了。タクシーを拾って家に着いたのが21時20分だった。病院の消灯が21時なので予め外泊許可をもらっていた。
家に帰ってもやることがいっぱいある。電話連絡は病院に帰ってからでも出来るが、メールはネットが使える今夜の内にしなければならない。
とにかく破らなければならない約束がいっぱいあった。時間がないので「入院するから行けない」とだけ書いて送るのが精一杯だ。何となく気になったが、疲れて寝入ってしまう。
一眠りすると目が覚めた。夜中の3時だが、気になって目が冴えて仕方がない。なにぶん前触れ無しの入院だ。簡単な説明が必要だろう。
しかし、どこの誰にとなるとなかなか難しい。困り果てて600人宛てのメーリングリストに流してしまった。こうして長い長い一日が終わった。
「退院おめでとう」
「有難うございます。ご迷惑かけて申し訳ありません」
「しかし、『病院の罠』とは穏やかでないな。世話になったお医者さんに失礼だぞ」
「病気と健康とどちらが好きですか?」
「健康に決まっているじゃないか」
「病気で入院したとは思いたくないので、健康なのに病院が仕掛けた罠にかかったと思うことにしました」
「小心者に付ける薬はないな」
「薬はもうけっこうです」