2009年12月6日北海道新聞「朝の食卓」掲載
知られていないが、札幌の中島公園には安田侃、小田襄ら著名な彫刻家の作品14点が点在しており、鑑賞しながら散策するのも楽しい。しかし、その価値が正当に評価され、大切に扱われているとは思えない。2007年6月、彫刻家山内壮夫(たけお)(1907~1975年)の「母と子の像」が何者かに倒され、さらに目を花火で焼かれる事件があった。
あまりに悪質で、いたずらというには度を超している。ただ、多くの彫刻が腐食や鳥のふんなどで汚れたままになっていることが、いたずらを誘発したのかもしれない。この事件をきっかけに野外彫刻をきれいにしようという機運が高まり、その年の12月、付近の住民と彫刻ファンによるボランティア団体「中島公園モニュメント研究会」が発足。私もメンバーで、年2回の彫刻の清掃を行っている。
今年9月の清掃には、近隣ホテルの従業員も加わり、約30人が3時間にわたって作品を磨いた。活動を始めてからは、いたずらはなくなっている。地道な取り組みが、人々の間に芸術作品を大切にする心を育てているのかもしれない。都市化の波にのまれかねない中島公園を、何とか良好な状態のまま次世代に引き継ぎたい。今後、その役割を担うのは、こうしたボランティアたちかもしれない。
知られていないが、札幌の中島公園には安田侃、小田襄ら著名な彫刻家の作品14点が点在しており、鑑賞しながら散策するのも楽しい。しかし、その価値が正当に評価され、大切に扱われているとは思えない。2007年6月、彫刻家山内壮夫(たけお)(1907~1975年)の「母と子の像」が何者かに倒され、さらに目を花火で焼かれる事件があった。
あまりに悪質で、いたずらというには度を超している。ただ、多くの彫刻が腐食や鳥のふんなどで汚れたままになっていることが、いたずらを誘発したのかもしれない。この事件をきっかけに野外彫刻をきれいにしようという機運が高まり、その年の12月、付近の住民と彫刻ファンによるボランティア団体「中島公園モニュメント研究会」が発足。私もメンバーで、年2回の彫刻の清掃を行っている。
今年9月の清掃には、近隣ホテルの従業員も加わり、約30人が3時間にわたって作品を磨いた。活動を始めてからは、いたずらはなくなっている。地道な取り組みが、人々の間に芸術作品を大切にする心を育てているのかもしれない。都市化の波にのまれかねない中島公園を、何とか良好な状態のまま次世代に引き継ぎたい。今後、その役割を担うのは、こうしたボランティアたちかもしれない。
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