2009年11月12日北海道新聞「朝の食卓」掲載
昨年の夏、近くの小学校で、南極の氷を触らせてもらった。南極観測船「しらせ」が持ち帰ったものだった。高さ20センチ、幅20センチ、奥行き14センチ。既に大勢が触った後だったので、角は丸くなり、白っぽい色をしていた。しばらく触っていると、中の空気が弾ける「プチッ」という音がする。3万年前の空気かと思うと、何となくロマンを感じた。
ある先生は「この氷でウイスキーのオン・ザ・ロックが飲みたいな」と言った。児童全員が触るまでは、じっと我慢だ。 ただ、児童300人が触った後、氷は、どのくらい残るのだろうか。しかも、みんながベタベタと触った氷で、大丈夫だろうか。そんなことを考えていたら、誰かが「ウイスキーでアルコール消毒されるから、大丈夫だよ」。
子どもたちは、南極の氷に、どんな夢を感じたことだろう。 北海道新聞朝刊に連載中の小説「氷山の南」を興味深く読んでいる。南極にある氷山を運び出し、世界の水不足対策、さらには農業用水として食糧対策につなげようという氷山えい航プロジェクトの話だ。まさに地球上のさまざまな問題を一挙に解決する夢物語だ。 あの氷の感触を思い出しながら、きょうも朝刊を楽しみに待っている。
昨年の夏、近くの小学校で、南極の氷を触らせてもらった。南極観測船「しらせ」が持ち帰ったものだった。高さ20センチ、幅20センチ、奥行き14センチ。既に大勢が触った後だったので、角は丸くなり、白っぽい色をしていた。しばらく触っていると、中の空気が弾ける「プチッ」という音がする。3万年前の空気かと思うと、何となくロマンを感じた。
ある先生は「この氷でウイスキーのオン・ザ・ロックが飲みたいな」と言った。児童全員が触るまでは、じっと我慢だ。 ただ、児童300人が触った後、氷は、どのくらい残るのだろうか。しかも、みんながベタベタと触った氷で、大丈夫だろうか。そんなことを考えていたら、誰かが「ウイスキーでアルコール消毒されるから、大丈夫だよ」。
子どもたちは、南極の氷に、どんな夢を感じたことだろう。 北海道新聞朝刊に連載中の小説「氷山の南」を興味深く読んでいる。南極にある氷山を運び出し、世界の水不足対策、さらには農業用水として食糧対策につなげようという氷山えい航プロジェクトの話だ。まさに地球上のさまざまな問題を一挙に解決する夢物語だ。 あの氷の感触を思い出しながら、きょうも朝刊を楽しみに待っている。
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