2009年6月4日北海道新聞「朝の食卓」掲載
もうすぐ北海道神宮の例祭(札幌まつり)だ。去年のまつりのことだが、約40年ぶりに「お化け屋敷」に入った。中島公園の魅力を紹介するインターネットのホームページを運営する立場として、「見ておかねば」と思った。 ところが、友人や家族を誘っても「年だから」と同意を得られず、一人で行くことになった。
お化け屋敷に入って歩くと、外に出たり、中に入ったりする。 これには二つの理由があるようだ。 一つは外にいる見物人に、中のにぎわいと興奮ぶりを見せること。 もう一つは、明るい所に客を出して目をくらませ、内部をより暗く見せることだ。なかなかよく考えられていると感心する。
再び中に入ると、子どもが、お化けに驚かされて逃げ回っている。 私の番になったが、お化けはじっと立ったままだ。「驚かさないの」と聞くと、うつむいてしまった。さらに行くと、また外に出た。目の前には見物人がたくさんいて恥ずかしい。 慌てて中に入って迷ってしまった。どうしても出られないのでお化けに聞いた。 「出口どこ?」。お化けは黙って指を指した。口をきいてはいけないらしい。
怖いもの見たさにお化け屋敷に行ってみたが、想定外の60代の一人客に、お化けは相当に戸惑っているようだった。
もうすぐ北海道神宮の例祭(札幌まつり)だ。去年のまつりのことだが、約40年ぶりに「お化け屋敷」に入った。中島公園の魅力を紹介するインターネットのホームページを運営する立場として、「見ておかねば」と思った。 ところが、友人や家族を誘っても「年だから」と同意を得られず、一人で行くことになった。
お化け屋敷に入って歩くと、外に出たり、中に入ったりする。 これには二つの理由があるようだ。 一つは外にいる見物人に、中のにぎわいと興奮ぶりを見せること。 もう一つは、明るい所に客を出して目をくらませ、内部をより暗く見せることだ。なかなかよく考えられていると感心する。
再び中に入ると、子どもが、お化けに驚かされて逃げ回っている。 私の番になったが、お化けはじっと立ったままだ。「驚かさないの」と聞くと、うつむいてしまった。さらに行くと、また外に出た。目の前には見物人がたくさんいて恥ずかしい。 慌てて中に入って迷ってしまった。どうしても出られないのでお化けに聞いた。 「出口どこ?」。お化けは黙って指を指した。口をきいてはいけないらしい。
怖いもの見たさにお化け屋敷に行ってみたが、想定外の60代の一人客に、お化けは相当に戸惑っているようだった。
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