穏やかで幸せな人生を送っているが、100%とは行かない。たまには心労を感じることもある。朝食はテレビを消して話しながら食べている。QPの話題はマスコミから得た医療・芸能・ファイターズ情報が多い。ときには知り合ったばかりの知人についても話してくれる。私は訳の分からないまま話を合わせている。
「Aさん知ってるでしょう」
「ええ、一緒に習字習っている人ですね」
「息子さんがね。高校卒業して消防署に勤めたんだって」
「それは好かったですね」
「勤めて5年したら結婚したの」
紅茶を一口飲んでる間に、就職から一気に5年後の結婚までへと話は飛んだ。爽やかな朝に相応しい話題だがテンポが早すぎる。一体どんな人と一緒になったのだろう。息子さんの年は幾つなのだろう。何もかも分からないまま肯いていた。
「10年後に離婚しちゃったの」
おやおや、途端にドロドロしてきた。興味津々となる。この話、あっという間に終らせては勿体ない。高卒5年後に結婚し10年たって33歳と、まだ若い。ようやく話が面白くなり、よせばいいのに一言付け加えた。
「そうですか。10年後に離婚したいうことは、どちらかが浮気をしたのですね」
「性格の違いとかいろいろあるでしょう」
「お子さんは奥さんが連れて行ったのですか」
「居なかったようだよ」
複雑で一番難しい問題が無い。これで私の結論は決まった。
「浮気と言うより本気ですね。新しい愛が芽生えたのでしょう」
石の上にも3年と言うではないか。嫌いな人と一緒に暮らせるのは、せいぜい3年だ。10年たって離婚するなんて、どちらかに好きな人が出来たに決まっている。私は紅茶を飲みながら野菜と肉の炒め物を食べていた。次はパン、そしてリンゴのヨーグルトあえを食べる。これが順番。まだまだ時間はある。先が楽しみだ。
「アンタのそういう考え方が嫌いなんだよ」
「と言いますと?」
「すぐ女とかに結び付ける……」
「あるいは酒におぼれるとか、賭け事に凝るとか」
「そんなことはどうでもいいの!」
どうでもいいとは何事だ。QPが離婚の話を持ち出すから付き合って上げているのだ。勝手に打ち切られてたまるか。ここは私の一言で締めくくらなければならない。
「子供も居ない二人暮しでしょう。酒乱やギャンブル狂いになったのでもない。10年もたって離婚するなんて浮気、それ以外にあり得ません!」
「アンタも分からない人だねぇ」
「はぁ? 私の話,聞いているのですか」
「だから、そんな話してるんじゃないって言ってるんだよ」
これだから嫌になる。自分が何を話したかすっかり忘れている。離婚話なんかどこ吹く風。誰がしたんだと言う顔だ。最早なんの興味もないことだけは確かである。置いてきぼりを食った私は我慢するしかない。涙を飲んで耐えるだけだ。
「最近再婚したんだって子供一人いる女性とね」
「今は幸せな三人家族ですね」
「お嫁さんがいい人で、よくAさんの家に遊びに来てくれるんだって」
「それは好かったですね」
「Aさんはお嫁さんが帰る時、果物、お菓子とか何でも上げちゃうんだって。夕飯のオカズの煮物まで上げちゃうんだって。やり過ぎだよね」
一体なんと言うことだ。この話は「Aさんの息子さんが再婚した」から始めればいいのに、なぜ10年以上も遡るのだ。そのせいで要らぬ文句まで言われてしまったではないか。こんな時は皮肉の一つも言ってやりたくなる。
「それはアナタも一緒じゃないですか」
「アタシはそんなバカなことしないよ」
「やってるでしょう。最近、正ちゃん(息子)はリュック背負って来てますよ」
QPも同じことをしている。私にはティッシュを使い過ぎるとかケチなことを言うくせに、息子夫婦が帰る時は気前よく何でも持たせる。まるで別人のようだ。最近私は恐怖さえ感じている。息子は本当に大きなリュックを背負って来るようになったのだ。帰った後には楽しみにしていた食後のデザートさえ無いありさまだ。
「Aさんとこはね。それどころじゃないんだよ」
「はぁ?」
「お嫁さんに全部上げちゃって自分たちが食べる物が無くなっちゃうんだって」
「それは大変です」
「晩御飯まで上げちゃったんだよ。可笑しいよね」
ぜんぜん可笑しくない。Aさんの旦那は「煮物だけは残せ。俺の好物だ」と心の中で叫んでいたに違いない。ところで、朝食ももうじき終わり、後は歯を磨き、洗面、薬を飲んでからパソコンと言う生活パタンが決まっている。そろそろ話を切り上げなくてはならない。QPの機嫌を損じない様に切り上げるにはどうしたら良いか考えていた。
「なんで黙っているの」
突然聞かれても考えは纏まっていない。思っていることをそのまま口にした。
「煮物もなくて旦那さんのご飯どうなったのでしょうか?」
「アンタって話しづらい人だね。みんなに嫌われているでしょ」
「そう言えば、そんな感じも……」
「Aさんの話をしているんだからご主人のご飯も息子さんの離婚も関係ないの」
「そうですね」
「やっと分かったみたいだね。 …… Aさんたら可笑しいでしょ」
「(o ̄ー ̄o) ムフフ」
笑ったつもりだが、顔文字で表現すればこんな感じかも知れない。ご飯も作らないし、掃除もしないし、洗濯もしない。私が天から与え仕事は楽しい家庭を創ること。虚弱体質だから力は出せない。使えるのは口先だけだが少しは心労もある。
「Aさん知ってるでしょう」
「ええ、一緒に習字習っている人ですね」
「息子さんがね。高校卒業して消防署に勤めたんだって」
「それは好かったですね」
「勤めて5年したら結婚したの」
紅茶を一口飲んでる間に、就職から一気に5年後の結婚までへと話は飛んだ。爽やかな朝に相応しい話題だがテンポが早すぎる。一体どんな人と一緒になったのだろう。息子さんの年は幾つなのだろう。何もかも分からないまま肯いていた。
「10年後に離婚しちゃったの」
おやおや、途端にドロドロしてきた。興味津々となる。この話、あっという間に終らせては勿体ない。高卒5年後に結婚し10年たって33歳と、まだ若い。ようやく話が面白くなり、よせばいいのに一言付け加えた。
「そうですか。10年後に離婚したいうことは、どちらかが浮気をしたのですね」
「性格の違いとかいろいろあるでしょう」
「お子さんは奥さんが連れて行ったのですか」
「居なかったようだよ」
複雑で一番難しい問題が無い。これで私の結論は決まった。
「浮気と言うより本気ですね。新しい愛が芽生えたのでしょう」
石の上にも3年と言うではないか。嫌いな人と一緒に暮らせるのは、せいぜい3年だ。10年たって離婚するなんて、どちらかに好きな人が出来たに決まっている。私は紅茶を飲みながら野菜と肉の炒め物を食べていた。次はパン、そしてリンゴのヨーグルトあえを食べる。これが順番。まだまだ時間はある。先が楽しみだ。
「アンタのそういう考え方が嫌いなんだよ」
「と言いますと?」
「すぐ女とかに結び付ける……」
「あるいは酒におぼれるとか、賭け事に凝るとか」
「そんなことはどうでもいいの!」
どうでもいいとは何事だ。QPが離婚の話を持ち出すから付き合って上げているのだ。勝手に打ち切られてたまるか。ここは私の一言で締めくくらなければならない。
「子供も居ない二人暮しでしょう。酒乱やギャンブル狂いになったのでもない。10年もたって離婚するなんて浮気、それ以外にあり得ません!」
「アンタも分からない人だねぇ」
「はぁ? 私の話,聞いているのですか」
「だから、そんな話してるんじゃないって言ってるんだよ」
これだから嫌になる。自分が何を話したかすっかり忘れている。離婚話なんかどこ吹く風。誰がしたんだと言う顔だ。最早なんの興味もないことだけは確かである。置いてきぼりを食った私は我慢するしかない。涙を飲んで耐えるだけだ。
「最近再婚したんだって子供一人いる女性とね」
「今は幸せな三人家族ですね」
「お嫁さんがいい人で、よくAさんの家に遊びに来てくれるんだって」
「それは好かったですね」
「Aさんはお嫁さんが帰る時、果物、お菓子とか何でも上げちゃうんだって。夕飯のオカズの煮物まで上げちゃうんだって。やり過ぎだよね」
一体なんと言うことだ。この話は「Aさんの息子さんが再婚した」から始めればいいのに、なぜ10年以上も遡るのだ。そのせいで要らぬ文句まで言われてしまったではないか。こんな時は皮肉の一つも言ってやりたくなる。
「それはアナタも一緒じゃないですか」
「アタシはそんなバカなことしないよ」
「やってるでしょう。最近、正ちゃん(息子)はリュック背負って来てますよ」
QPも同じことをしている。私にはティッシュを使い過ぎるとかケチなことを言うくせに、息子夫婦が帰る時は気前よく何でも持たせる。まるで別人のようだ。最近私は恐怖さえ感じている。息子は本当に大きなリュックを背負って来るようになったのだ。帰った後には楽しみにしていた食後のデザートさえ無いありさまだ。
「Aさんとこはね。それどころじゃないんだよ」
「はぁ?」
「お嫁さんに全部上げちゃって自分たちが食べる物が無くなっちゃうんだって」
「それは大変です」
「晩御飯まで上げちゃったんだよ。可笑しいよね」
ぜんぜん可笑しくない。Aさんの旦那は「煮物だけは残せ。俺の好物だ」と心の中で叫んでいたに違いない。ところで、朝食ももうじき終わり、後は歯を磨き、洗面、薬を飲んでからパソコンと言う生活パタンが決まっている。そろそろ話を切り上げなくてはならない。QPの機嫌を損じない様に切り上げるにはどうしたら良いか考えていた。
「なんで黙っているの」
突然聞かれても考えは纏まっていない。思っていることをそのまま口にした。
「煮物もなくて旦那さんのご飯どうなったのでしょうか?」
「アンタって話しづらい人だね。みんなに嫌われているでしょ」
「そう言えば、そんな感じも……」
「Aさんの話をしているんだからご主人のご飯も息子さんの離婚も関係ないの」
「そうですね」
「やっと分かったみたいだね。 …… Aさんたら可笑しいでしょ」
「(o ̄ー ̄o) ムフフ」
笑ったつもりだが、顔文字で表現すればこんな感じかも知れない。ご飯も作らないし、掃除もしないし、洗濯もしない。私が天から与え仕事は楽しい家庭を創ること。虚弱体質だから力は出せない。使えるのは口先だけだが少しは心労もある。
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楽しい会話ですね
花筏 「(o ̄ー ̄o) ムフフ」
↓
話の流れから言って、PPさんのこの笑いの気持ち
分からないでもないです。
でもお嫁さんに惜しげもなくいろんな物を上げられるのは、
嫁姑の関係が極めて良好な証し。
PPさん宅もAさん宅も幸せですね。
アッそれから、人間多少のストレスは有ったほうが長生きできるとか。
どこかで耳にした事があったような気がします。
ストレスがある方が長生きできる
PP >分からないでもないです。
↑
ということは分かって頂けたのですね。有難うございます。
愚痴をこぼす相手が居ないものですから、
申し訳ないのですが、ここに書いています。
ご理解いただき有難うございます。
ストレスがある方が長生きできるとは良いことを聞きました。
私の長生き計画も安泰ですね。92歳まで生きるつもりです。
長寿社会では遠慮ぎみの計画ですが。
花筏 「(o ̄ー ̄o) ムフフ」
↓
話の流れから言って、PPさんのこの笑いの気持ち
分からないでもないです。
でもお嫁さんに惜しげもなくいろんな物を上げられるのは、
嫁姑の関係が極めて良好な証し。
PPさん宅もAさん宅も幸せですね。
アッそれから、人間多少のストレスは有ったほうが長生きできるとか。
どこかで耳にした事があったような気がします。
ストレスがある方が長生きできる
PP >分からないでもないです。
↑
ということは分かって頂けたのですね。有難うございます。
愚痴をこぼす相手が居ないものですから、
申し訳ないのですが、ここに書いています。
ご理解いただき有難うございます。
ストレスがある方が長生きできるとは良いことを聞きました。
私の長生き計画も安泰ですね。92歳まで生きるつもりです。
長寿社会では遠慮ぎみの計画ですが。