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朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
人生とは不思議なものだ。耐えるだけの人生が突然、幸せな毎日に変わる。楽しくて忍耐を忘れそうだ。こんな暮らしが何時までも続くのだろうか。ところで朝食はテレビを消して話しながら食べている。テレビを見る為、お互いにそっぽを見ながら食べるよりも楽しいからだ。何よりも日頃のご無沙汰の埋め合わせのつもりだ。

「ヒマなのにご無沙汰?」
「自室にこもるのが好きなのですよ」
「いい年して引きこもりか」
「つい居心地が良くて…」
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「ずいぶん狭いな。息がつまりそうだよ。足の踏み場が無いじゃないか」
「歩けますよ。テレビもステレオもあって、好きな時にベッドで眠れるのが何よりも嬉しいのです。これで風呂とトイレがあれば、まるでドラマの世界の社長室ですね」
「なんで社長室に風呂場が要るんだ」
「お金持ちの世界は知りませんが、そういうの映画で見ました」

私は篭るのが好き、QPは家の中で自由に振舞うのが好き。私が居間にいては邪魔なのだ。お互いに好きなようにしていたら、こうなった。ところで半世紀も一緒に暮らしているのに、QPに褒められたことがない。私も褒めたことはない。お世辞のない家庭は暮らしやすいが味気ない。何とかしようと思った。改革断行だ。

改革は挨拶から始めた。10年くらい前から日常の挨拶だけはキチンとするようにしている。日々の暮らしに潤いをもたせたくなったのだ。おはよう、おやすみ、頂きます、美味しいですね、ご馳走さま、ご免なさい、有難う等は、毎日言っている。

労力も費用もかからない潤滑油だね。これが切れるとギスギスするから欠かせない。挨拶の励行は家の中で何とか楽ちんに暮らせる手段として嫌々始めたのだ。ところがある日その効果を感じた。それ以来、挨拶するのが楽しくなった。不思議なことに横柄で無口で不愛想なQPが進んで挨拶をしてくれるようになったのだ。

3年ばかりかかったが、図らずもQP改造計画は成功した。二の矢も挨拶、三の矢も挨拶だ。これさえキチンとやっていれば、後はご飯だよと呼ばれたら食いに行き。掃除するよと言われれば部屋の外に出るだけでいい。憧れの楽ちん生活の始まりだ。

もともと自分勝手でろくでなしの私が、今よりもっと楽をしようという魂胆で始めた改革である。それが今では、ごく自然に挨拶を交わす仲良夫婦になってしまった。失敗ばかりの人生の中で唯一の成功談。申し訳ないが書かずにはいられない。

「表面だけで幸せごっこをやっていても、いざとなったら役に立たんぞ」
「いざと申しますと」
「病気で倒れたらどうなる」
「なるほど、挨拶だけではどうにもなりませんね」
「困難な時にこそ支え合えなければダメだ」
「重病とか大事故の経験がないのですが…」
「介護もしたことがないんだな」
「どうしたら良いのでしょうか」
「机の上にズラリと並べたお前の電脳に聞いてみな」

「パソコンのことですか」
「飾りじゃないんだろう」
「れっきとした実用品ですよ」
「なるほど」
「4台のノートとデスクトップが一台」
「それで…」
「一つひとつ形が違います」
「だから」
「形を見れば何時の何のデータが入っているか分かるのです」
「ほ~、形でねぇ?」
「手触りも違いますよ」

形とか手触りとか訳の分からないことを書いていますが、デジタル時代について行けない私にとっては大切なこと。これについては後日取り上げたいと考えています。

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【2016/01/30 00:00】 | 生きる知恵
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改革成功オメデトウ!
路傍の石
一日の幸せは
「笑顔のオハヨー」 から始まりますね。
まさに言葉は生活の潤滑油。
改革に成功したPPさんに敬意を表します。

PPさんは5台のPCを全て使い分けているんですか?
凄いですね。
PC初心者の私には、考えられない世界です。



ハードデスク代わりです
PP
パソコンは面倒になったので、買い足しにしました。
データを移動しないで、そのまま置いておきます。
何もしなくていいので楽です。
ハードデスク代わりに置いてあるだけです。
けっこうデータが見つけ易くていいですよ。

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