朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

QPがトイレが汚いと言って騒いでいる。そんな筈はないのに文句を言っている。
「汚していませんよ」
「アンタは掃除しないから分からないんだよ」
「汚しちゃった時はキレイにしてますからね」
「あたしが掃除したんだよ」
「覚えがないですね。大ですか小ですか?」
「水だよ。みず! あちこちにバラ撒いて汚いよ」

そしてQPは私が手を洗う真似をする。やたらに手を振り回して、最後にシャッシャと水を切るような仕草をする。まるでパントマイムだ。私はそんな可笑しな恰好して手を洗ったことはない。もっとも無意識に洗っているから自信はないが。

「タオルで拭きますからシャッシャとか水切りはやりません」
「そこらじゅう水だらけじゃない。それが何よりの証拠なんだよ」
「そうでしたか。恐れ入りました。注意します」

QPが証拠と言う限りは否定しても無駄だ。しかし、私にも次のような言い分はある。証拠は既にQPが自分の手で消したのに、証拠があると主張するのは間違っている。私がトイレで手を洗う姿は見たことがないのに、身振り手振りで真似出来るはずがない。水は放って置いても乾くのではないか。その他諸々だが謝る。こうしないと話が終わらないのだ。

以前は、QPの無茶苦茶な話に悩み、怒り、反論したが、今はどちらかと言うと楽しんでいる。むしろ面白いと思うのだ。QPが物事を理路整然と話す人でなくて好かったと思う。それに、面白くなければ謝れば終わるのだから、話の主導権さえ私が握っているようなものである。何の不満もない。

もしQPが知的で理路整然と説明する人だったら大変だ。私の逃げ場はなくなりノイローゼになるかも知れない。世間では何も出来ない役立たずの私だが、家の中では理論派と思い込んでいる。QPはアバウトで忘れっぽいから有難い。割れ鍋に綴じ蓋とは良く言ったものだ。

念のためネットで検索したら、「割れ鍋に綴じ蓋とは、割れた鍋でもそれに似合った破れを修繕した蓋があるという意味で、どんなにブサイクで役立たずの男であっても、物好きで相性の合う女性が広い世の中には必ずいるものだということわざ」と書いてあった。

QPが「物好きで相性の合う女性」かどうかは分からないが、私が「ブサイクで役立たずの男」であることは確かだ。若い時は食うために多種多様な仕事をしてきたが、上手く出来たものは一つもなかった。だから役立たずであることは間違いない。

一通り文句を言った後、QPは晴れがましい顔になる。そしてよく笑うようになる。相性がいいといっても、気が合う訳でも意見が一致するわけでもない。二人暮しでは善悪も勝敗も関係ない。あえて言えば笑わした方が勝ちかな。全てにおいてノロマの私はそれに気付くのに何十年もかかってしまった。
スポンサーサイト

FC2blog テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

【2015/08/29 00:00】 | 夫婦喧嘩
トラックバック(0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。