寂しくてつけたテレビの画面には女が男の首しめており
(俵万智『サラダ記念日』より)
私はこんな目には遭いたくない。テレビを観るのは好きだが何となく見るのは嫌い。つまり、テレビを観るときは明確な意図や目的をもって観る。これがテレビと向き合う私のスタンスである。
万智さんは何となくテレビをつけるから、よけい寂しい目に遭うのだ。私なら番組表をチェックする。「日ハム対ロッテ」とか書いてあれば女が男の首しめている画面など出てくるはずがない。
俵万智さんは才知あふれる人だから、何となくテレビをつけてもよい。しかし、私のような凡人は何となく見てはいけない。そんなことしたら知らないうちに脳を侵され、テレビの餌食になるかも知れない。
「ダラダラ見てたら電気代がもったいないのだろう。分かる分かる」
「泣いて笑って怒りながら一生懸命観るのです。1時間が限度ですね」
「そうかい。感動の嵐かい。テレビ局が聞いたら泣いて喜ぶぞ」
「嫌われてますよ。テレビは真剣に見る人を嫌います」
「なんで?」
「ワンフレーズで直感に訴えるメディアだから、何となく見ていて欲しいのでしょ」
酒好きが銘柄に拘るように番組に関する好き嫌いも極端だ。私には絶対に見たくないテレビ番組がある。それは大食い・早食い番組と残酷シーン。
それに、繰り返し放映される保険のコマーシャル。意味のない大笑いも目障りで耳障りだ。ホンの少しだけ見ても気分が悪くなる。他所の家でなら諦めるが我が家では我慢できない。
「見なけりゃいいじゃないか」
「WFがテレビをつけているから見えちゃうのです」
「見えない所に行けばいいだろう」
「食時中ですよ」
家ではWFが命令して私が従う習慣ができている。私自身納得していることだが食事だけは気分よくとりたい。勇気を振り絞ってお願いしたら、食事中のテレビは止めてくれた。
「思ったより簡単に言うこと聞いてもらえましたよ」
「そうかい。そりゃ良かったな」
「1回で聞いてくれたのですよ。とても嬉しかったです」
「そうかいそうかい。好かったな~」
感動して涙がホロリ。
「しっかりしろよ。オトコだろう」
「はぁ?」
「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」
「何ですか?いきなり真面目な顔して」
「喜び過ぎてみっともないよ」
「喜んで何処が悪いんですか!」
「分かってないね~。すっかり尻に敷かれちゃって」
「トンデモナイ!例えていえば私はお釈迦様、WFは孫悟空なんですよ」
「つまり、あんたの手のひらの上で踊っているだけ?」
「全ては策略。私はWFを自由自在にコントロールしているのです」
「よっ! *見上げたもんだよ屋根屋の褌」
「ただの子供だまし。お恥ずかしい限りです」
「*たいしたもんだよ蛙のションベン」
「ほんの真似事でございます。日本の奥様なら皆、昔からやっています」
「ションベンを?」
「亭主を手のひらで踊らすことっ!」
<蛇足>以下は昔からある香具師(やし)の口上。
*見上げたもんだよ屋根屋の褌(ふんどし)
啖呵(たんか)売りの口上の一つ。お客たちが立派な人であると煽て上げて言う。啖呵とは香具師が品物を売るときの口上。
*たいしたもんだよ蛙のションベン
カエルは田んぼにいるので「田へした」もんだ、という駄洒落。
(俵万智『サラダ記念日』より)
私はこんな目には遭いたくない。テレビを観るのは好きだが何となく見るのは嫌い。つまり、テレビを観るときは明確な意図や目的をもって観る。これがテレビと向き合う私のスタンスである。
万智さんは何となくテレビをつけるから、よけい寂しい目に遭うのだ。私なら番組表をチェックする。「日ハム対ロッテ」とか書いてあれば女が男の首しめている画面など出てくるはずがない。
俵万智さんは才知あふれる人だから、何となくテレビをつけてもよい。しかし、私のような凡人は何となく見てはいけない。そんなことしたら知らないうちに脳を侵され、テレビの餌食になるかも知れない。
「ダラダラ見てたら電気代がもったいないのだろう。分かる分かる」
「泣いて笑って怒りながら一生懸命観るのです。1時間が限度ですね」
「そうかい。感動の嵐かい。テレビ局が聞いたら泣いて喜ぶぞ」
「嫌われてますよ。テレビは真剣に見る人を嫌います」
「なんで?」
「ワンフレーズで直感に訴えるメディアだから、何となく見ていて欲しいのでしょ」
酒好きが銘柄に拘るように番組に関する好き嫌いも極端だ。私には絶対に見たくないテレビ番組がある。それは大食い・早食い番組と残酷シーン。
それに、繰り返し放映される保険のコマーシャル。意味のない大笑いも目障りで耳障りだ。ホンの少しだけ見ても気分が悪くなる。他所の家でなら諦めるが我が家では我慢できない。
「見なけりゃいいじゃないか」
「WFがテレビをつけているから見えちゃうのです」
「見えない所に行けばいいだろう」
「食時中ですよ」
家ではWFが命令して私が従う習慣ができている。私自身納得していることだが食事だけは気分よくとりたい。勇気を振り絞ってお願いしたら、食事中のテレビは止めてくれた。
「思ったより簡単に言うこと聞いてもらえましたよ」
「そうかい。そりゃ良かったな」
「1回で聞いてくれたのですよ。とても嬉しかったです」
「そうかいそうかい。好かったな~」
感動して涙がホロリ。
「しっかりしろよ。オトコだろう」
「はぁ?」
「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」
「何ですか?いきなり真面目な顔して」
「喜び過ぎてみっともないよ」
「喜んで何処が悪いんですか!」
「分かってないね~。すっかり尻に敷かれちゃって」
「トンデモナイ!例えていえば私はお釈迦様、WFは孫悟空なんですよ」
「つまり、あんたの手のひらの上で踊っているだけ?」
「全ては策略。私はWFを自由自在にコントロールしているのです」
「よっ! *見上げたもんだよ屋根屋の褌」
「ただの子供だまし。お恥ずかしい限りです」
「*たいしたもんだよ蛙のションベン」
「ほんの真似事でございます。日本の奥様なら皆、昔からやっています」
「ションベンを?」
「亭主を手のひらで踊らすことっ!」
<蛇足>以下は昔からある香具師(やし)の口上。
*見上げたもんだよ屋根屋の褌(ふんどし)
啖呵(たんか)売りの口上の一つ。お客たちが立派な人であると煽て上げて言う。啖呵とは香具師が品物を売るときの口上。
*たいしたもんだよ蛙のションベン
カエルは田んぼにいるので「田へした」もんだ、という駄洒落。
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朱庵 楽しみお待ちしていた6日になりました。
もう楽しくって朝からニヤニヤしながら読みました。
ナカパさんは江戸っ子でしたよね!
落語を聞いている気分です。
朝から楽しい気分にさせていただいてありがとうございます。
今日は何かいいことありそうな・・予感します!
ほんとうにナカパさんのお話面白〜い!
ありがとうございます
nakapa >朱庵さん
面白いと言ってくれると、とても嬉しいです。
柄にもなくジョークが好きでたまりません。
本当はしゃべって笑ってもらえる人になりたのですが難しいです。
仕方がないから書いています。
これならノンビリと考えながらできますからね。
お粗末で失礼しました。
のん子 アハハ(笑)
うちは反対で、何げに点いてるテレビが多いですね。
食事中も点いてますよ。
コマーシャルになるとカチャカチャ回しますが、他もコマーシャルだったりします(笑)
夫とは好のみが違うのでチャンネル争いも多いです。
前のテレビのリモコンも効くので、一つづつ持っていて、お互いに相手が席を立った時に変えてしまいます(^^ゞ
一生懸命観ています(笑)
nakapa >のん子さん
私もCMのときは、一時的にチャネルを変えます。
CMと言っても4分くらいあるから、それなりに楽しめるますよ。
やはり、他もCMの時もあります。
それを避けるため裏はNHK関連から選ぶのです。
放送大学まで入れれば5チャンネルあります。
その中の一つを予め決めておくのです。
文字どおり一生懸命観ています。笑っちゃいますね。
空見 こんにちは~
また笑わせてもらいました、nakapaさんは本当にうまいですね人を笑わせるのが、ツボにはまりますよ。
TV観賞は連れ合いと好みが全く違うので、食事時に一緒に見るのはニュース番組だけです。
政治経済関係は意見が合いませんので、連れ合いはあれこれ文句を言いますが、当方と論点視点が180度違う。必ずケンカになるため私はできるだけ黙ることにしています。こんなつまらないことでもね、時にはストレスになるんですよ、あ~いやだ~ノ_・)ノ_・)ノ
精神的無口
nakapa > 空見さん、こんばんは。
テレビの好みが違っても、政治経済関係の意見が合わなくても、
何となくやって行けるものですね。
当方も全く同じ状態で半世紀たとうとしています。
口は災いの元。無口が一番と思うのですが難しいですね。
なにしろ喋りたい口を持っていますから。
苦肉の策として意味のないことだけ喋ることにしています。
精神的無口と言うのでしょうか、よく分かりませんが(笑)。
momo 以前は何となくテレビつけっ放しでしたが あの震災で電力不足と言われた頃から節電で見たいものだけになりました。
私も大食い早食い笑わせる為に頭を叩いたりは気分悪くて消してしまいます。
無理に笑わせようととする番組が多いですね。
芸人ってそれが芸なの?って思ってしまいます。
しみじみと実のあるドラマやドキュメンタリーや映像の美しさには感動しますね。
好きになると嫌いなことも…
nakapa >momoさん
テレビを見ないという人がいますが、もったいないですね。
私も忙しいときは全く観る気もしないし、観ませんでした。
そんな時は人が何をかけていようと気になりません。
しかし、テレビを観る余裕ができると一生懸命好きな番組を観ます。
いい番組がいっぱいあることが分かりました。
困ったことに嫌いな番組も出来てしまったのです(笑)。
好きになったら、嫌いなものが浮き上がってく来るものですね。