T電力が大変なことになっている。こんなことになろうとは夢にも思わなかった。 Aさんの息子さんは47歳、大学卒業後T電に就職、21年目に東日本大震災に遭遇。因果関係は不明だが結婚話も壊れてしまい未だに独身だ。 「私は公務員がいいと言ったのに、主人が反対した」とAさんは今になって夫を責める。
当時はバブルの狂乱を謳歌していた時代。一流大学出身者の就職は、より取り見取りだった。なろうと思えば公務員になるのは容易い。しかし、公務員であるAさんの夫は大反対。
夫君の時代は民間会社との給与の差は大きく、民間を落ちた人が公務員になるのが相場だった。民間に入れるのにわざわざ公務員になることはない。これが民間会社を落ちた夫君の信念だ。
一方私は、息子が学生のころは就職のことなど全く考えなかった。何と言ったって少子高齢化社会だ。若者は貴重だし大切にされると楽観していた。就職のことなど全く心配していなかった。
正規雇用が激減し若者が失業したり、アルバイトで食い繋いで行く社会になるとは思ってもみなかった。気がついてみたら何時の間にかそうなっていたのだ。私自身は変化する仕事に翻弄され、今日明日を無事に過ごすことしか考えていなかった。
当時51歳だった私が予想したのはこんな社会ではない。若者にとっては暮らし易い社会。一方、高齢者にとっては厳しい社会の到来である。いの一番に切り捨てられるのは、ウジャウジャいる私を含めた高齢者達と考えていた。
ところで朝食の後でリンゴにヨーグルトをかけて食べている。最近になって自分は幸せ者だとつくづく思う。フルーツにヨーグルトをかけて食べるのは、我が家の新婚時代なら客用のデザート。子供の頃なら想像も出来ない程のご馳走だ。それを毎朝食べている。なんでもないかのように平然として……。
「毎日が幸せです。子供の頃の夢は100%叶いました」
「そりゃ好かったね。夢ってなんだい?」
「楽をすることです」
「ありゃりゃ! 筋金入りの怠け者だな」
「でも不思議なんです」
「いいじゃないか幸せなんだから」
「根拠のない幸せは突然崩れるような気がして不安です」
「心配するな。そのうち安倍バブルが弾けるよ」
「それは困ります」
「幸せはいつも不安と同居しているもんだよ」
「そして不幸も不安と同居してますね」
「同じ不安なら踊らにゃ損々」
「賛成! さんせ~い、大賛成」
「さーさ、オネイちゃんオニイちゃん、踊らにゃソンソン」
「ジイちゃんは踊っちゃダメなんですか!」
「アンタがね~。まあいいや、踊りたけりゃ踊んな」
「いいですよ。別に…」
「ひがむんじゃないよ。『いじけないで』と柴田トヨさんも書いてたろう」
ここから先は、私とあなたとの会話です。
「最後の会話に間違いがあります。気付くかどうかで脳年齢が分かるのです」
「すぐ分かったよ。私の脳はまだまだ若い。頭も足もピンピンしてるよ」
「残念でした。あなたの脳年齢は88歳で~す」
「バカいってんじゃないよ」
「若い人は柴田トヨさんを知りませ~ん」
(正しくは『くじけないで』100歳の詩人柴田トヨさんの作品)
当時はバブルの狂乱を謳歌していた時代。一流大学出身者の就職は、より取り見取りだった。なろうと思えば公務員になるのは容易い。しかし、公務員であるAさんの夫は大反対。
夫君の時代は民間会社との給与の差は大きく、民間を落ちた人が公務員になるのが相場だった。民間に入れるのにわざわざ公務員になることはない。これが民間会社を落ちた夫君の信念だ。
一方私は、息子が学生のころは就職のことなど全く考えなかった。何と言ったって少子高齢化社会だ。若者は貴重だし大切にされると楽観していた。就職のことなど全く心配していなかった。
正規雇用が激減し若者が失業したり、アルバイトで食い繋いで行く社会になるとは思ってもみなかった。気がついてみたら何時の間にかそうなっていたのだ。私自身は変化する仕事に翻弄され、今日明日を無事に過ごすことしか考えていなかった。
当時51歳だった私が予想したのはこんな社会ではない。若者にとっては暮らし易い社会。一方、高齢者にとっては厳しい社会の到来である。いの一番に切り捨てられるのは、ウジャウジャいる私を含めた高齢者達と考えていた。
ところで朝食の後でリンゴにヨーグルトをかけて食べている。最近になって自分は幸せ者だとつくづく思う。フルーツにヨーグルトをかけて食べるのは、我が家の新婚時代なら客用のデザート。子供の頃なら想像も出来ない程のご馳走だ。それを毎朝食べている。なんでもないかのように平然として……。
「毎日が幸せです。子供の頃の夢は100%叶いました」
「そりゃ好かったね。夢ってなんだい?」
「楽をすることです」
「ありゃりゃ! 筋金入りの怠け者だな」
「でも不思議なんです」
「いいじゃないか幸せなんだから」
「根拠のない幸せは突然崩れるような気がして不安です」
「心配するな。そのうち安倍バブルが弾けるよ」
「それは困ります」
「幸せはいつも不安と同居しているもんだよ」
「そして不幸も不安と同居してますね」
「同じ不安なら踊らにゃ損々」
「賛成! さんせ~い、大賛成」
「さーさ、オネイちゃんオニイちゃん、踊らにゃソンソン」
「ジイちゃんは踊っちゃダメなんですか!」
「アンタがね~。まあいいや、踊りたけりゃ踊んな」
「いいですよ。別に…」
「ひがむんじゃないよ。『いじけないで』と柴田トヨさんも書いてたろう」
ここから先は、私とあなたとの会話です。
「最後の会話に間違いがあります。気付くかどうかで脳年齢が分かるのです」
「すぐ分かったよ。私の脳はまだまだ若い。頭も足もピンピンしてるよ」
「残念でした。あなたの脳年齢は88歳で~す」
「バカいってんじゃないよ」
「若い人は柴田トヨさんを知りませ~ん」
(正しくは『くじけないで』100歳の詩人柴田トヨさんの作品)
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「幸せはいつも不安と同居しているもんだよ」
朱庵 >「幸せはいつも不安と同居しているもんだよ」
nakapa語録にとどめます!
きりきりと深く感じます・・・
そういえば、今年に入ってまもなくでしたね、柴田トヨさんが亡くなられたのは・・・。101歳のご長寿のありようは人々の心に響きましたね。
誰もが100歳を生き抜くことは難しいですが、世の中は確実に後期高齢者が多くなりつつある現実。
さてさてこれからどうする? 私の乾涸びた脳みそは自問繰り返しても答え出ず、です。
新しい時代の幕開け
nakapa >朱庵さん
黒田夏子さんの芥川賞とか最近高齢者の活躍が目立ち、将来が楽しみですね。
柴田トヨさんは倒れるまで執筆活動をしていたのでしょうか。
凄いですね。まるで新しい時代の幕開けのようです。
私は相変わらずのんきに楽しく暮らしています。
次の目標は「絶対に怒らない人」になることです。
のん子 確かに、こんな世の中になるとは想像していませんでした。
一昔前なら、真面目に仕事さえしてれば定年まで安泰が普通でしたもんね。
実力主義と言えば聞こえは良いですが、大会社でも少し景気が悪くなれば平気でリストラします。
でも、そんな世の中になってしまったのだから、それなりに精神力だけでも負けないように生きて行くしかないですよね。
私の考える理想社会
nakapa >のん子さん
真面目に定年まで働くのが理想的ですね。
貧しいけれど自然豊な国を先人の犠牲と努力で豊かな国にしてくれました。
ですから皆で仲良く楽しく平和に暮らしたいと思います。
そして、そのような暮らしと日本の文化を次世代に引き継ぎたい。
これが皆の願いになることが私の考える理想社会です。
アメリカの真似をすればアメリカと同じようになります。
日本らしくありたいと願っています。
hama nakapaさんのおっしゃる通りの事を私も思っていました。
何処が良くてどんな選択が良かったかは最後まで分かりませんね。
本当に何時の間にこんな社会になったのでしょう。
あっと言う間でしたね。
私は今は健康で細々と暮らしているけど この生活がずつと続く保証はないし・・
せめて若者が夢を持って正規雇用で安心して働ける社会が来る事を願うばかりです。
倹約が一番ですね
nakapa >hamaさん
日本が貧乏国であった子供のころは、「衣食足りて礼節を知る」。
豊かな時代が来れば、アメリカのホームドラマにあるような暮らしになる。
そう思っていたのになりませんでした。お手本のアメリカも今は格差社会。
難しいものですね。30年前に戻れば世界一の福祉国家にもなれたでしょう。
しかも、世界平和に貢献する日本になることも可能だったと思います。
思えば無駄遣いをしたものですね。こうなったら倹約が一番です。
生きていれば心の栄養になることは、いくらでも見つけられると思います。
空見 「いじけないで」これは笑いました、なかなかこういう発想はできません、nakapaさんは天才かも。
人間万事塞翁が馬、ということと理解しております私は、何事もね (^▽^)エヘ
ダジャレが大好き
nakapa >空見さん
「人間万事塞翁が馬」、よく見る言葉ですが意味が分かりません。
「天才」としてはぜひ知りたいのでネットで調べました。
簡単に言うと、「幸福や不幸は予想のしようのない事」とありました。
ホントにネットは有り難いですね。お陰で「わたしもてんさいになれました」。
漢字を入れると「私も転載に慣れました」てな感じです(笑)。
人知を越えて
shochan いくら考えても、どうにもならないとき? こういうとき、人知を越えていると言っていいのかぁ。死ぬのが怖いと言っていた兄85歳も、今年死んでしまいました。兄の喜怒哀楽は、どこへ行ってしまったのか分かりません。兄も生前は、一生懸命、悩んでいたず。
分からないことばかりです
nakapa >shochanさん
お兄様の喜怒哀楽、どこに行ったのでしょうか。不思議でなりません。
人間はどうして死ぬのでしょう。いくら考えても分かりません。
「知らぬが仏」とは 知らないから仏のように平静でいられるのでしょうか?
この世はわからないことばかりです。
朱庵 >「幸せはいつも不安と同居しているもんだよ」
nakapa語録にとどめます!
きりきりと深く感じます・・・
そういえば、今年に入ってまもなくでしたね、柴田トヨさんが亡くなられたのは・・・。101歳のご長寿のありようは人々の心に響きましたね。
誰もが100歳を生き抜くことは難しいですが、世の中は確実に後期高齢者が多くなりつつある現実。
さてさてこれからどうする? 私の乾涸びた脳みそは自問繰り返しても答え出ず、です。
新しい時代の幕開け
nakapa >朱庵さん
黒田夏子さんの芥川賞とか最近高齢者の活躍が目立ち、将来が楽しみですね。
柴田トヨさんは倒れるまで執筆活動をしていたのでしょうか。
凄いですね。まるで新しい時代の幕開けのようです。
私は相変わらずのんきに楽しく暮らしています。
次の目標は「絶対に怒らない人」になることです。
のん子 確かに、こんな世の中になるとは想像していませんでした。
一昔前なら、真面目に仕事さえしてれば定年まで安泰が普通でしたもんね。
実力主義と言えば聞こえは良いですが、大会社でも少し景気が悪くなれば平気でリストラします。
でも、そんな世の中になってしまったのだから、それなりに精神力だけでも負けないように生きて行くしかないですよね。
私の考える理想社会
nakapa >のん子さん
真面目に定年まで働くのが理想的ですね。
貧しいけれど自然豊な国を先人の犠牲と努力で豊かな国にしてくれました。
ですから皆で仲良く楽しく平和に暮らしたいと思います。
そして、そのような暮らしと日本の文化を次世代に引き継ぎたい。
これが皆の願いになることが私の考える理想社会です。
アメリカの真似をすればアメリカと同じようになります。
日本らしくありたいと願っています。
hama nakapaさんのおっしゃる通りの事を私も思っていました。
何処が良くてどんな選択が良かったかは最後まで分かりませんね。
本当に何時の間にこんな社会になったのでしょう。
あっと言う間でしたね。
私は今は健康で細々と暮らしているけど この生活がずつと続く保証はないし・・
せめて若者が夢を持って正規雇用で安心して働ける社会が来る事を願うばかりです。
倹約が一番ですね
nakapa >hamaさん
日本が貧乏国であった子供のころは、「衣食足りて礼節を知る」。
豊かな時代が来れば、アメリカのホームドラマにあるような暮らしになる。
そう思っていたのになりませんでした。お手本のアメリカも今は格差社会。
難しいものですね。30年前に戻れば世界一の福祉国家にもなれたでしょう。
しかも、世界平和に貢献する日本になることも可能だったと思います。
思えば無駄遣いをしたものですね。こうなったら倹約が一番です。
生きていれば心の栄養になることは、いくらでも見つけられると思います。
空見 「いじけないで」これは笑いました、なかなかこういう発想はできません、nakapaさんは天才かも。
人間万事塞翁が馬、ということと理解しております私は、何事もね (^▽^)エヘ
ダジャレが大好き
nakapa >空見さん
「人間万事塞翁が馬」、よく見る言葉ですが意味が分かりません。
「天才」としてはぜひ知りたいのでネットで調べました。
簡単に言うと、「幸福や不幸は予想のしようのない事」とありました。
ホントにネットは有り難いですね。お陰で「わたしもてんさいになれました」。
漢字を入れると「私も転載に慣れました」てな感じです(笑)。
人知を越えて
shochan いくら考えても、どうにもならないとき? こういうとき、人知を越えていると言っていいのかぁ。死ぬのが怖いと言っていた兄85歳も、今年死んでしまいました。兄の喜怒哀楽は、どこへ行ってしまったのか分かりません。兄も生前は、一生懸命、悩んでいたず。
分からないことばかりです
nakapa >shochanさん
お兄様の喜怒哀楽、どこに行ったのでしょうか。不思議でなりません。
人間はどうして死ぬのでしょう。いくら考えても分かりません。
「知らぬが仏」とは 知らないから仏のように平静でいられるのでしょうか?
この世はわからないことばかりです。
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