朝食はテレビを消して話しながらとる。 「朝の食卓」の話題は近所の中島公園、健康、そして札幌シニアネット(SSN)、カラオケ、歩こう会など。
「猿、犬、豚が屁をたれた。 どれが一番臭いか?」
トンチで答えろと言われたが分からない。 答えは猿だという。
「猿のはくせえ」→「猿の惑星」。 当時ヒットした映画のタイトルだ。 この映画のユニークな点は、猿が支配する世界があり、人間は猿の奴隷という設定である。

映画を観ていると、だんだん猿が普通に見えてきて、人間が動物のように見えてくるから不思議だ。 

美人だの、いい男とか言っているが、結局は「慣れの問題」かなと思わせてくれる作品だ。 私にとっては、とても有難い映画である。

ところで、全亭協(全国亭主関白協会)「愛の三原則」をご存知だろうか。

・「ありがとう」をためらわずに言おう
・「ごめんなさい」を恐れずに言おう
・「愛してる」を照れずに言おう

私は既に、「ありがとう」と「ごめんなさい」はクリアした。 問題は「愛してる」だ。 言おうと思えば簡単に言えるが、QPが許さない。

「どうして、愛してると言ってはいけないのですか」
「そういうことをアンタが言っても似合わないの」
「全亭協の調べでは、奥様が一番聞きたい言葉だそうですよ」
「アタシャ聞きたくないね。アンタ聞きたいの?」
「そうでもないですね」

珍しく意見が一致した。しかし、こんなことで一致しても悲しい。 やはり、ドラマの世界は美しい。「愛してる」とか言っても似合う人が演じているからだ。

「また、変なこと考えているんだね」
「分かりますか」
「まさか『愛してる』と言っても似合う人に、どうしたらなれるかとか…」
「実はそうなのです。 『猿の惑星』がヒントになりました」
「臭い話は、もうたくさんだよ」

映画『猿の惑星』の中では「愛してる」とか「君を抱きしめたい」とか言っているのは猿だった。 人間は檻のなかで「ウォー」とか叫んでいるだけだ。 

こんな映画を観て1時間もたつと、自分が猿になったような気がしてきた。
そして、人間が動物の一種に見えてきたのだ。

100127cats.jpg
おいおい、そこは立入禁止だぞ! ニャンとか言え!! (中島公園菖蒲池)

「文化とは模倣、もの真似こそ創造性の源と思うのです」
「また、屁理屈言って。恥かくのは自分なんだよ」
「私たちは欧米文化の真似をしているだけではないでしょうか」
「欧米文化なんてあるの」
「ワカリマセン。あるといいですね。ひと纏めにして…」

終戦直後、東京の焼跡で育った私にとって欧米、特にアメリカは夢の世界。  洋画を観るのが大好きだった。 邦画は貧乏臭いと思って敬遠した。 

その後、洋画の影響を強く受けている日活アクション路線に切替えた。
石原裕次郎の、「夜霧よ今夜も有難う」は「カサブランカ」の邦画版。 
小林旭の「渡り鳥シリーズ」は「シェーン」。  
赤木圭一郎の「霧笛が俺を呼んでいる」は「第三の男」にそっくりだ。

繰り返しになるが、こうゆう状況の中で、「愛してる」と言って似合う人のイメージが、私の頭の中で固まってきたのだ。 

だから、私たち二人が、お互いに「愛してる」と抵抗なく言えるようになるには、 条件整備が必要だ。

例えば、QPをヒロインにして、私がヒーローになる恋愛映画を作って、3年くらい大ヒットさせる。 

そうすれば、数え切れないほどの人々が、私たちが演ずるラブシーンを観ることになる。 そして、慣れてしまえば、それが恋愛シーンのスタンダードとなるだろう。 「猿の惑星」を観て、私はこう確信した。

「アンタとラブシーンなんて嫌だよ。皆に笑われるから」
「気味が悪いかもしれませんね。まあ、それはそれとして…」
「…別にならないよ!」 
「…照れずに愛してると言えるようになれるんですよ」
「バカバカしい」

「それだけじゃないですよ。服装や歩き方、髪型も真似されるんです。私たちは人気スターなんですから」
「ヘアースタイルなんか、真似できるわけないじゃない」
「いいですか。その時の私は、世界の大スターなのですよ」
「へ~、そりゃよござんしたね」

「そうなれば、流行も作れるのです!」
「一体なにを流行らせたいの」
「日本古来の伝統的な髪型です」
「チョンマゲね~。そこまで思いつめてんだ。アタシなんとも思ってないからね」

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【2010/01/31 23:31】 | 私が思うこと
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ちゃちゃ
なかぱさま、
「猿の惑星」のラスト・シーンは衝撃的でした。そのときのことはよく覚えています。
「愛してる」なんて長いこと囁かれたことがありません。もしかしたら、長いことじゃなくて、一度もないかもしれません。
そして、本当にアメリカは憧れの国でした。FENを聴いてはどんな音楽が流行っているのかと友達同士で情報交換などしていました。今でも憧れているのかもしれません。1弗が360円から98円になっても、私にとってはアメリカは憧れの国です。


イチゴとリンゴの館
愛してる~^^ですか~
夫婦間ではちょっと無理でしょうね・・・
でも外国映画みたいに毎日言われも飽きてきますよ
ね~
せめてテレビが映画の世界で充分ですね(^_-)-☆


のん子
大阪人としては愛してるは男女共言えないと思います(^^ゞ
せいぜい、好きやで~位でしょうか?
アメリカの女性優先に憧れていたのですが、実際は夫が財布の実権を握っていると解ってがっかりしたことがあります
言動では優しくなくても心の中での優しさが解れば良いかな?(^_-)-☆


コマクサ
「愛の三原則」私なら毎日でも言ってほしいですね。
三原則の中で一つも言ってくれない人もいるのですよ。
nakapa さんは残り一つ「愛してるよ」クリアしてください。
しかしタイミングがありますから、考えてね。
今日も面白いエッセイに笑ってしまいました、ありがとう!


フラダン
ナカパさんの発想が面白くて笑ってしまいました、
愛は感じるものです!チョット臭いね!(笑い)
でも、、どんなに素敵な言葉を並べられても、感じる物が
無ければ、伝わりませんね、、、



こまどり
・・・「人間は檻のなかで「ウォー」とか叫んでいるだけだ。」 この映画は観てないので、なんだかわからないけれど、ぜーんぶ可笑しくておかして。
ほんと、我々は叫んでいるだけみたい。

QPさんとの会話おもしろいねー。
愛の表現ね、う~ん、みんな照れくさくて言えないんだよねー。
今朝も海老ぞうさんと真央さんのラブラブ婚約会見みていて、新鮮でとてもいい感じがしました。でも
夫婦も何十年たつとこれが私たちのようになるんですよねー。

ちゃちゃさんへ
nakapa
ホントに衝撃的なラストシーンでした。今でも覚えています。
はい、アメリカは夢の国でした。日本人でもFENを聞いている人は多かったですね。
私は英語もろくろく分からないのに聞いていました。
今なら笑い話ですが、far east network が、どうしてもfar east ナポリとしか
聞こえないのです。 ナポリからみて極東かと思っていました。

イチゴとリンゴの館さんへ
nakapa
そうですね。飽きるでしょうね。
あななに好きな たい焼きでも5つ目には飽きました。
一つくらい、実現不可能なものを入れて、「愛の三原則」の値打ちを高めようと、
しているのだと思います。


mitchi-jul
QPさんは、軽々しく「愛しているょ!」は云わないでほしい・・のでしょう。
でも「愛の三原則」は否定なさらないのでは・・。
「親しき仲にも礼儀あり。」が念頭にありますと
失敗も少なく過ごせるように思います。



のん子さんへ
nakapa
札幌人は大阪人と同じです。少なくとも同年輩では。 若人はどうなのでしょう。
憧れのアメリカ人は、財布を握って離さない人ですか。夢やぶれますね。
やはり、仰るように言葉より心です。



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