新しい肩書が欲しくなったが、無職だから自分でつけないと、誰もつけてくれない。 その代わりいいこともある。自分で好きなようにつけられるのだ。
「それで、憧れの肩書は何てつけた」
「聞いて驚かないで下さい」
「もったいつけるな」
「じゃ~ん、中島パフェ代表です」
「なんじゃ、それ?」
異口同音「なんじゃ、それ?」 言い方は違っても、みんな同じことを言う。
「私、パフェ大好きよ」
「それはそれは、ありがとうございます」
「チョコレートパフェが一番すき」
「はぁ」
「二番目に好きなのが小倉パフェ」
「中島パフェはいかがですか?」
「なによそれ。聞いたことないよ」
そりゃあそうだ。 私だって、ダメだと思っていた。 だから対策はちゃんと練っていた。”中島公園ガイド「中島パフェ」代表”と変更したのだ。 これならちゃんと分かってくれるだろう。 公園の二文字が入っているんだから誰でも分かる。
ところがそうは行かなかった。 ある日中島公園を散歩していると、観光客から道を尋ねられた。 その案内をしたときのことである。
道々、野鳥の話などをして、お互いに盛り上がった。 インターネットをしていることも分かったので、名刺を渡して、「ホームページをよろしく」とお願いした。
「中島公園ガイドですか?」
「はい」
「素晴らしいことですね」
「ありがとうございます。頑張ります!」
「公園に専門のガイドさんが居るとは、素晴らしいことですよ。ここだけかも知れませんね」
ああ、これもダメだった。 自由に肩書を付けられると喜んだのは間違いだった。 自由とは苦しいものだ。 主任とか、係長とか勝手に付けてもらった方が、よほど楽だ。
今更、こぼしても仕方がない。ポジティブ・シンキングだ。 誤解を与えない肩書とは何か、一生懸命考えた。
私は何者か? ボランティアである。
何をしているのか? 中島公園のPRをしている。
決まったぞ!こんどこそ完璧だ。 肩書は「中島公園PRボランティア」とした。 これで決定。 これなら誰にも誤解されることはないだろう。
ということで、名刺を200枚印刷した。自宅のプリンタじゃない。今回は本格的に、印刷屋に頼んだのだ。
「この間、美術関係の懇親会が豪華なホテルでありましてね」
「あんたが美術? 関係ねぇだろう」
「野外彫刻の、お掃除しましたよ」
「ああ、そうかい」
「宴席で、名刺の交換をしましてね」
「肩書は、中島公園PRボランティアとつけたんだって。大丈夫なのかい」
今度こそはと思ったが、やはりダメだった。 自分のしていることを数文字で表すのは本当に難しい。
ところで、もらった名刺には、あの有名な「XータリーXラブXX地区会長」と書いてあった。 白髪の上品な紳士だ。 ニッコリ笑ってこう言った。
「中島公園にはPRのためのボランティアがいらっしゃるのですか」
おや? こんな解釈もありえるのかと戸惑った。
「いえ、その…」
「観光ボランティアなら聞いたことあるのですが、PRボランティアとは珍しいですね。結構なことと思いますよ。 これからはボランティアの時代です。 私も微力ながら協力したいと思います」
「まあ、なんと申しましょうか…」と 冷や汗タラリ。
「ご苦労様です。ところで、何人くらいのグループでしょうか?」
先方は、ただの世間話のつもりかも知れないが、こうなると「私一人」とは、なかなか言いにくいものだ。 そして書きにくい。 この後の展開は、なんとか行間を読んでほしい。

中島公園ほぼ中央の彫刻と薔薇に囲まれた芝生の広場。4月19日撮影
ところで、「艱難、汝を玉にす」というが、このことわざには真実があると思う。 苦しみを超えて新しい発想が生まれたのだ。 こんどこそは完璧である。
「相変わらず、言うことが大袈裟だねぇ」
「人生はドラマです」
「役者がいないぞ」
「新しい肩書が、ようやく決まりました。 こんどこそ完璧です」
「そうかい」
「中島公園近所の住民です」
「それが肩書かい?」
「これほど、私の立場を明確に示したものは、他にありません」
「そりゃあそうだが、オレ知らないよ」
「よく、『肩書がものをいう』とか言うでしょう」
「それがどうした」
「中島公園近所の住民がモノを言うのですよ。 ピッタシでしょう」
「なんか勘違いしてないか」
「それで、憧れの肩書は何てつけた」
「聞いて驚かないで下さい」
「もったいつけるな」
「じゃ~ん、中島パフェ代表です」
「なんじゃ、それ?」
異口同音「なんじゃ、それ?」 言い方は違っても、みんな同じことを言う。
「私、パフェ大好きよ」
「それはそれは、ありがとうございます」
「チョコレートパフェが一番すき」
「はぁ」
「二番目に好きなのが小倉パフェ」
「中島パフェはいかがですか?」
「なによそれ。聞いたことないよ」
そりゃあそうだ。 私だって、ダメだと思っていた。 だから対策はちゃんと練っていた。”中島公園ガイド「中島パフェ」代表”と変更したのだ。 これならちゃんと分かってくれるだろう。 公園の二文字が入っているんだから誰でも分かる。
ところがそうは行かなかった。 ある日中島公園を散歩していると、観光客から道を尋ねられた。 その案内をしたときのことである。
道々、野鳥の話などをして、お互いに盛り上がった。 インターネットをしていることも分かったので、名刺を渡して、「ホームページをよろしく」とお願いした。
「中島公園ガイドですか?」
「はい」
「素晴らしいことですね」
「ありがとうございます。頑張ります!」
「公園に専門のガイドさんが居るとは、素晴らしいことですよ。ここだけかも知れませんね」
ああ、これもダメだった。 自由に肩書を付けられると喜んだのは間違いだった。 自由とは苦しいものだ。 主任とか、係長とか勝手に付けてもらった方が、よほど楽だ。
今更、こぼしても仕方がない。ポジティブ・シンキングだ。 誤解を与えない肩書とは何か、一生懸命考えた。
私は何者か? ボランティアである。
何をしているのか? 中島公園のPRをしている。
決まったぞ!こんどこそ完璧だ。 肩書は「中島公園PRボランティア」とした。 これで決定。 これなら誰にも誤解されることはないだろう。
ということで、名刺を200枚印刷した。自宅のプリンタじゃない。今回は本格的に、印刷屋に頼んだのだ。
「この間、美術関係の懇親会が豪華なホテルでありましてね」
「あんたが美術? 関係ねぇだろう」
「野外彫刻の、お掃除しましたよ」
「ああ、そうかい」
「宴席で、名刺の交換をしましてね」
「肩書は、中島公園PRボランティアとつけたんだって。大丈夫なのかい」
今度こそはと思ったが、やはりダメだった。 自分のしていることを数文字で表すのは本当に難しい。
ところで、もらった名刺には、あの有名な「XータリーXラブXX地区会長」と書いてあった。 白髪の上品な紳士だ。 ニッコリ笑ってこう言った。
「中島公園にはPRのためのボランティアがいらっしゃるのですか」
おや? こんな解釈もありえるのかと戸惑った。
「いえ、その…」
「観光ボランティアなら聞いたことあるのですが、PRボランティアとは珍しいですね。結構なことと思いますよ。 これからはボランティアの時代です。 私も微力ながら協力したいと思います」
「まあ、なんと申しましょうか…」と 冷や汗タラリ。
「ご苦労様です。ところで、何人くらいのグループでしょうか?」
先方は、ただの世間話のつもりかも知れないが、こうなると「私一人」とは、なかなか言いにくいものだ。 そして書きにくい。 この後の展開は、なんとか行間を読んでほしい。

中島公園ほぼ中央の彫刻と薔薇に囲まれた芝生の広場。4月19日撮影
ところで、「艱難、汝を玉にす」というが、このことわざには真実があると思う。 苦しみを超えて新しい発想が生まれたのだ。 こんどこそは完璧である。
「相変わらず、言うことが大袈裟だねぇ」
「人生はドラマです」
「役者がいないぞ」
「新しい肩書が、ようやく決まりました。 こんどこそ完璧です」
「そうかい」
「中島公園近所の住民です」
「それが肩書かい?」
「これほど、私の立場を明確に示したものは、他にありません」
「そりゃあそうだが、オレ知らないよ」
「よく、『肩書がものをいう』とか言うでしょう」
「それがどうした」
「中島公園近所の住民がモノを言うのですよ。 ピッタシでしょう」
「なんか勘違いしてないか」
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暦 う~~ん、肩書きって難しいのですね。
肝腎の人名よりも、
肩書きでその人を見てしまいますからね。
こんな私でも、PCで名刺を作りたくなった時、
どんな肩書きにしようか、
今を表現するために考えちゃいます。
何十年も浪人だったのに。笑
ウフフの小母はん うふふ・・・(平仮名が意味深でしょ?)
男の視点に、ニヤリ !
男の思考にウフフ・・・!
そういえば、タイトル・・・懐かしい、思い出しました。
100倍たのしむ○○とか、もっと完璧○○とか、色々つけて、MLで楽しいメールが飛び交ったことありましたね。
小母はんもその一人でしたが。
新聞の食卓も、こちらの食卓も、たのしむ小母はんです。
イチゴとリンゴの館 いや~「朝の食卓」も面白かったけど、今朝のメールもとてもおかしくて笑っちゃいました。
なかぱさんの人柄がそのまま文章に出ていて楽しい
男性はどうして肩書きにこだわるんだろう・・と
いつも考えますが、縦社会の中で長年生きて来たんだから仕方がないか・・・?何て思っちゃいますが
中々取り除くのには時間が掛かるのですね~
あぁ~男性に生まれなくて良かった~(*^。^*)
暦さんへ
なかぱ はい、肩書は難しいです。特に私のような立場の人間は難しいです。
正確にしないと勘違いされやすいのです。例えば管理事務所の人と間違われます。
ホームページはわざわざ”個人ウェブサイト「中島パフェ」”と個人を明示しています。
考えちゃいますね。
ウフフの小母はん へ
なかぱ 「うふふ・・・」 意味深いです。
「これで完璧Photoshop Elements2.0」でしょう?
ウチの本棚でホコリかぶっています。要らないけれど捨て難い本です。
「肩書」と「これで完璧私の肩書」読んでくれてありがとうございます。
肩書がほしくなったときにお役に立てば幸いです(笑)。
イチゴとリンゴの館さんへ
なかぱ 「肩書」も「これで完璧私の肩書」も笑ってくれてありがとうございます。
失敗を重ねても、正しい肩書のつけかたを研究し続ける覚悟です。
女性はもちろんですが、身近の男性は、肩書には全然こだわっていないと思います。
こだわっているのは私だけです。みなさんが笑ってくれる限りこだわり続けます。
おーりーおばさん 肩書きには男性はこだわるようですね。
女性は肩書きにはこだわりません。
(わたしだけかな?)
肩書きにはしばられたくない気持ちです。
名刺もおもしろ~いものを作ってみたい。
男の料理のおともだちブログに勝手に
リンクを貼らせていただきました。
nonko-mn 何していらっしゃいますか???
から始まる会話そうなると名刺が必要になってくる・・・難しいね。
女は自分自身は要らないけれど、「貴女のご主人何していらっしゃる方」此れにはムッと来る私は「私と付き合う時主人の職業も必要ですか」って反論した事がこの何十年のうち結構有ったわ。
こう言う時は何を期待してるんだろう。
「私の友達に北海道役場の知事婦人が居るのよ」って言うためなの???って思ったことある。
へそ曲りノンコでした~ぎゃははははははは _(__)ノ彡☆ばんばん!
おーりーおばさん へ
なかぱ リンクありがとうございます。
退職した人で肩書にこだわるのは私くらいと思います。
名刺の肩書を4回変えました。まだまだ適当なのが分かりません。
これからも、探し続けるつもりです。
探し続けて一人さまようのも楽しいですよ。
nonko-mn さんへ
なかぱ 名刺は自分の為でなく、受け取る相手の為に作るのですから、それに付ける
肩書には苦労します。
相手と言っても不特定ですが、相手の気持になって作らなければなりません。
「相手に情報を下さい」と頼む場合、どんな人がどんな目的で使か
端的に伝える役目が名刺にあります。
肩書一発で分かれば相手が安心してくれます。話した言葉は忘れられますが、
名刺は残ります。
ところが、無職なものだから自分で肩書を作らなければなりません。
自分が意図したように、相手にはなかなか伝わらない。 ここが悩みです。